Ⅴ 司祭長

タロットカード司祭長

司祭長のカードの教え

教えるもの、教わるものの心構え

日本人の多くは宗教を、困った時に助けてくれる存在、教え、導いてくれる存在と道徳的にとらえています。しかし同時に特定の宗教に対して熱心ではなく、懐疑的でもあります。そこに閉鎖的なイメージと、価値観を強要されることへの恐怖を感じてしまうからかもしれません。

【司祭長】は信者に対して神の御心に従うように、人々が神の国に入れるように教典に則って説教をします。しかし時には注意も必要です。信者に崇め奉られた教祖様は、自分の立場を忘れ、我こそ神の化身だと信じ、私たちを間違った方向に導かないとも限りません。

【司祭長】のカードは教えるものはどうあるべきか、何を教えるか、教わるものは自分をどう評価すべきなのかを教えてくれます。

【司祭長】は「法王(法皇)」とも呼ばれています。

 

絵の解説

司祭長が神の啓示を受け、堂々とした雰囲気で信者に説教をしています。

あなたは壇上の司祭長から説教を受けています。
司祭長は二本の柱の間に座っており、その後ろは神の世界です。
彼は説教が始まる前にあなたの目の前に鍵を置きました。そして

「この鍵は神の世界への扉を開ける鍵だ。この鍵を使うことが許される者だけが、扉を開け、神の世界に入ることができる」

と無言で伝えました。
あなたはいつか鍵を使うことを許されると信じていますが、今は恐れ多くてそれに近づくことができません。そして、壇上にいる彼を見上げ、

「司祭長様は私たちよりも神に近い位置にいらっしゃる」

と、熱心に純粋に説教を聞いています。

しかし本当に司祭長だけが神に近いところに位置しており、彼だけが鍵を使うことが許されるのでしょうか。

司祭長は信者よりも大きく描かれています。あなたにとってとても大きな存在です。神の世界に通じる扉の前に常に立ちはだかっています。
あなたは熱心に純粋に説教を聞いており、神の世界への扉を開けるのに十分な忠誠心を既に持っているのですが、司祭長を前にして身動きをすることができません。いえ、司祭長を神そのものだと勘違いしているのです。

そんな信者を平伏させ、司祭長は何を語ろうとしているのでしょうか。
よく見ると他のカードと比較して顔が変です。なんかお面みたいな。。。
もしかしたら彼の素顔は別のところにあるのかもしれません。

 

気づきのヒント

正位置

目の前に立ちはだかる人物、組織の壁
  • 限られた範囲の中でどのように自分を発揮すれば良いのでしょうか。その方法が見つかったとき、次のステージへの扉が開きます。
  • 約束、規律、時間など決められたことは、今のあなたにどのような影響を与えているでしょうか。
  • しっかりと階段を上がることです。しかしその能力は既に有しています。
  • 組織では多様な価値観は認められません。ひとつの価値観を守らないと組織が崩壊します。組織の価値観が合わないのならそこを出て行く選択肢があります。
  • 上位者の意志やオーダーに沿った行動、指導、育成をしましょう。しかしそのオーダーの本質をつかむことも大切です。
  • 自分を過小評価していませんか? 壁は自分が高くしています。毎日の習慣が力になっています。

逆位置

多様な価値観を認めましょう
  • 自分の立場を用いた関わりになっていませんか
  • 保守的過ぎて頑固になっていませんか。自分とは違う価値観を受け入れることが、自分の協力者を作ることになります。
  • 自由と本質は共存します。組織と個性も共存します。