Ⅵ 恋人たち

恋人のカードの教え

自分の気持ちを信じましょう

恋愛占いで【恋人たち】が展開されると、とても喜ばしい気持ちになりますね。
しかし、悲しい表情をしているカップルや、背を向けたカップルが描かれているカードもあります。女性がふたり(少女と老婆)描かれ、若い男性がどちらを選択するのか迷っている様子を描いているものもあります。
ウエイト版の【恋人たち】も女性は彼を見ずに天使を見ています。天使に何か聞いているようですが、天使は彼女にどのように答えるでしょう。

【恋人たち】は選択に迷った時に、何を基に答えを出せば良いのか教えてくれます。恋は何の理由もなく突然訪れて、情熱的に相手をどんどん思ってしまいます。【恋人たち】が示す選択の基準もそこにあります。

ウエイト版の【恋人たち】はアダムとイブの話を基に描かれています。

アダムとイブは楽園で裸で楽しく過ごしていました。神はふたりに「この実だけは食べてはいけない」と告げたのですが、ある時蛇がやってきて、その実を食べちゃうようにイブをそそのかしました。
その実は知恵の実で、その実を食べてしまったふたりは裸でいることが恥ずかしくなり、木の葉や枝で身体を覆うようになりました。
後に神の言いつけを守らなかったふたりは楽園から追放され、罰を科せられます。

もしふたりが知恵の実を食べなければ幸せなままでいられたでしょう。裸でいることに羞恥心を抱かなかったはずです。
裸は本能、純粋な気持ちを表します。私たちは時に本能的であること、純粋であることに恥ずかしさを感じてしまうこともあるのではないでしょうか。知恵が付くということは、私たちを本能から遠ざけてしまうということです。

【恋人たち】のカードは知恵よりも情熱や純粋さが必要なことがあると教えてくれます。

 

絵の解説

赤い羽根をした天使と、若い裸の男女がいます。

彼はあなたの目の前で両手を広げて伝えています。

「僕は何も持っていないし、何も隠していないよ、僕は僕の気持ちこそが全てだよ」

その言葉が真実であることを、何も身にまとっていない姿で表しています。
しかしあなたは、彼のことを見ずに天使を見ています。そして

「私は本当に、この人で良いのですか?」

と、聞いています。

天使は目を閉じたまま、赤い羽根と紫の衣装で伝えています。

「純粋に愛しているのなら、情熱があるのなら、自分を信じなさい。愛することと信じることはイコールです」

あなたも彼の前で何も身に着けていません。純粋で、情熱があるなら迷わず進むようにと、天使は告げています。

迷ったときには心の中の天使に聞いてみましょう。
あなたの心の中の天使は決して頭でものごとを考えないはずです。
自分の純粋な気持ち、熱い気持ちを信じて迷わずに進みましょう。
そう、恋に理由が無いように。

 

気づきのヒント

正位置

迷ったら、素直な自分に従いましょう
  • 自分の純粋な気持ちに従って行動しましょう。頭で考えては良い回答は出てきません。
  • インスピレーションは自分の本能です。迷わず従いましょう。
  • 愛することと信じることは同義語です。
  • 本能に従うことは純粋な証しです。

逆位置

自分の気持ちを理屈で隠していませんか
  • 自分の心や気持ちよりも理屈を優先しています。しかし、その理屈は行動しないための理屈にしか過ぎません。
  • 本能に従いましょう。頭で考えれば考えるほど良い結論は導けません。
  • 熱い気持ちは恥ずかしいものではありません。あれこれ理屈を考えて言い訳する方が、本当は恥ずべきことです。