聖杯８

聖杯８の物語

魅力的に見えた聖杯を全部取ったあなたは、容姿も、資産も、お金も、地位も、遊びのテクニックも、欲しいものは何でも手に入りました。
しかし、あの時のような幸福感や充実感は得られずにいます。

手にした聖杯をきれいに積み重ねていくうちに、どの聖杯も中身が空っぽのように思えてきました。

「あれだけ魅力的に見えたのに、全然幸せを感じられないよ。いったい僕は何をやっていたんだろう」

あなたは聖杯を積み重ねることをやめました。すべてを積み重ねてきれいな形に並べても、幸せや充実感を得られないと思ったからです。
せっかく手に入れたものを捨てることにためらいもありましたが、そこを立ち去ることにしました。

意を決して川を渡ったその時、夢から覚めました。
とても長い夢を振り返ると、みんなが差し出してくれたのは「もの」ではなく「心」だったことに気づきました。
相手の心を感じられたから受け取れ、信頼しあえたから交換できたことを思い出したのです。

「あの町に戻ろう。僕が求めているのは、提供しあい、心がこもった交流をすることだったんだ。見せかけだけのものなんて、もういらない」

（山頂に立つ老人は、この若者の未来の姿かもしれません）

聖杯８のカードの教え

長い間取り組んでいたり、手にするまでに困難が伴ったりすると、愛着がわいてきます。自分の意思で始めたことならなおさらです。趣味、習い事、仕事、対人関係…　大切に思えば思うほど、手放してはいけない、継続させなければ、やり遂げなければ、と思ってしまいます。

しかし、愛着があったり大切に思ったりしていても、自分にとって有意義であるとは限りませんし、今の自分を満足させられるとも限りません。
実現させようとしている夢や理想と今取り組んでいることがずれているのなら、どんなに愛着があっても、早めに方向転換をする必要があります。

本当の目的は、目の前のものを継続させたり完遂させたりすることではありません。夢や理想を実現させるために、必要なこと、意義のあることに取り組まなければならないのです。

【聖杯８】のカードは夢や理想を実現させるために必要でないと思ったら、やめることも大切であると、教えてくれます。

気づきのヒント

正位置

本来の目的を大切にしましょう

• 幸せや充実感を得られないのなら、そこから立ち去る選択肢があります。
• 益がないとわかったら、未練があってもそこから立ち去る選択肢があります。
• 最初に思い描いていたものと違うのなら、そこから立ち去る選択肢があります。
• 感情的に未練があっても、自分の目的に合致していないのなら、次のステップ、次の目標に向けて進みましょう。
• 今取り組んでいることを完遂させる必要が本当にありますか。継続、完遂が美徳ではありません。

聖杯８（逆位置）

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