ウエイト版のタロット占いでは「逆位置」を採用するのが一般的です。
タロットカードの絵が逆さまに展開されたらそれが逆位置です。
マルセイユ版、トートのタロットなど逆位置を採用しないカードもあります。
ウエイト版の解説書も一部の小アルカナは逆位置を採用しないものもあるようです。(ウエイトが著した解説でも、棒4、聖杯3のカードには逆位置の解説がありません)
絵が自然に見えるのが、自然
ウエイト版のタロットカードは絵が解釈の基本ですから、絵が普通に見えるのが「自然」です。逆位置は自然な状態になっていません。次のようなことを考察する必要があります。
- 自然な状態ではない。無理をしていないか
- 自分の心を偽っていないか
- さらに深く考察すると…
- 見落としていることがないか
逆位置ばかりが目立つなら、その課題(質問)に対して、自分自身が抵抗を感じているか避けたがっているか、ということが考えられます。
正位置と逆位置は表裏一体
ポジティブな意味も、過剰になればネガティブになります。
例えば【剣エース】のカードは『強い意志』を持っています。それは困難を乗り越えるのにはとても強い味方となりますが、その意志が過剰になると『強情』『頑固』になり、柔軟な発想や行動ができなくなります。
全てのカードが正位置と逆位置を持つように、全てのことがらは表裏一体です。
「正位置がだから良い、逆位置だから悪い」 と決めることはできません。
私たちの世界は必ずしも全てが思い通りに行くとは限らないからです。
タロットの世界観
私たちの生活では多いこと、大きいことがポジティブで、少ないこと、小さいことはネガティブのような世界観があります。
お金は多い方が少ないよりも良く、家も広い方が狭いよりも高い評価を得られます。
しかしタロットの世界ではそのときの自分にとって最も自然な状態が正位置です。
多くても逆位置、少なくても逆位置なのです。
多いのが正位置、少ないのが逆位置ではありません。
すべてのカードが気づきを与えてくれる
逆位置を採用するこで気づきの機会が増えます。逆位置のポジション、カードを深く考察することで気づきが得られます。
スプレッド(展開:カードの並べ方)の多くはアドバイスの位置があますが、出てきたカードの全てが気づきの機会です。
逆位置で出てきたカードの意味や位置を注意深く考察してみましょう。その相談に対して「今の」自分にとって何らかのストレスがあるかもしれません。
補足(2020年6月)
最近、逆位置を採用しないことが増えてきました。理想に対するヒントを得る、気づいていないものに気づく、深く考察するポイントを知る。これらのことに慣れてくるとタロットから受け取るメッセージの幅が広がりますし、一度の展開に向き合う時間が長ければ深いところまで探ることができます。
それらの考察こそが大切なのですが、(これだけ逆位置がネガティブだとは限らないと伝えていながらも)潜在意識の中で逆位置に対してのプレッシャーがあると感じられるからです。