棒10の物語
見栄を張った防護柵のおかげで、敵は攻めてきませんでした。しかし、たった一人で広い領土を守ることの限界に達したあなたは、撤退せざるを得なくなりました。
撤収した棒を大切に抱え、遠くの町(それは以前立ち寄り、手厚くもてなしてくれたあの町)を目指して退却していきます。
「僕はがんばってあの町までたどり着かなくては。それまではこの棒を捨てるわけにいかない」
とても重くてつぶれてしまいそうですが、自分の情熱、夢や理想を象徴していた棒を捨てるわけにはいきません。
あの町で過ごしたことを思い出しながら歩いているうちに、みんながこの棒を必要としているように感じてきました。町の人の期待を背負っていると思い、必死に歩いています。それは勘違いなのですが、だれかのために努力をすることの大切さを、少しずつ感じています。
しかし、町の人は背負っている重たい棒を待っているわけではありません。町の人が待っているのは、あなた自身なのですが、すでに無意味になってしまったものをまだ大切だと思い込み、背負い続けています。
【棒エース】から【棒7】までは夢や理想を実現させるために情熱的に進んできましたが、【棒8】以降は大切なことを忘れてしまっています。棒の物語は夢や理想を実現させるために情熱的に進む、自分中心の物語です。他人との出会いは、自分に対する協力者でしかありませんでした。このカードであなたは、情熱と実力だけで進むことの限界を知り、違う形の出会いを求めます。ダメージを受けてはじめて、助けてくれる相手の必要性に気づくのです。そして同時に、だれかのために努力することの大切さを少しずつ理解していきます。自分への協力者という一方通行の関係から、互いに関わり提供しあう双方向の関係へ。
あなたは聖杯の物語でそれに出会うことになります。
棒10のカードの教え
期待が大きければ大きいほど、それに応えようと努力をします。プレッシャーを感じながらも、実力以上を発揮しようと一生懸命になります。
しかし、それが自分にとって必ずしも良いとは限りません。期待に応えることに一生懸命になっていると、それこそが自分の夢や理想だと思い込んでしまうからです。
そして、なんとなく違和感を抱きながらも自分に鞭を打って進み続け、いつのまにか自分の道ではなく、期待しているだれかのための道を進んでしまいます。
周りからの期待は自分を奮い立たせる要因にはなりますが、自分の道を進むことが大前提です。期待に応えるための人生は消耗するだけです。
【棒10】のカードは無意味なものや、他人の期待を背負っていないか振り返る機会を与えてくれます。
気づきのヒント
正位置
自分のために進んでいるのでしょうか
- だれのためにがんばっているのでしょうか。
- 期待に応えることが、自分の道を進むこと、未来につながることとは限りません。
- 固定観念、既成概念、他人の言葉や目。抱えているの、大変ですよね。
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